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グリセリンで肌の保湿を!気になる成分効果や安全性は?

グリセリンで肌の保湿を!気になる成分効果や安全性は?

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グリセリンとは

 

グリセリンは、医薬品や化粧品、食品添加物など幅広い用途に使われるアルコールの一種。植物や海藻類、動物などに含まれており、ヒトの体内ではほかの脂肪酸と結合して皮膚下や内臓周辺に貯蔵され、必要に応じてエネルギーに使われるなど、重要な役割を担っています。

グリセリンは無色透明の粘り気のある液体で、高い吸湿効果を持つことから、化粧品や軟膏などの保湿成分として使用されています。また、甘味があり水に溶けやすいことから、甘味料などの食品添加物に用いられることもあります。

 

グリセリンの成分効果は? 肌の保湿効果がある?

 

便秘を改善する効果や利尿作用、高い保湿作用など、さまざまな効果が認められているグリセリン。医薬品の分野では、浣腸剤や利尿剤、脳圧降下剤、軟膏や湿潤剤などの調剤として広く使われていますが、化粧品としてもさまざまな作用に期待が集まっています。

化粧品の成分として注目したいのは、その保湿効果。グリセリンには水分の蒸散を抑えるだけでなく、外部から水分を引き寄せ、肌にうるおいをもたらすはたらきがあります。また、グリセリンはひとつひとつの分子がとても小さいため、角質層の奥深くまでしっかり浸透。肌の内側(角層)までしっかり保湿し、肌のバリア機能を強化するはたらきも。注目すべきはその持続力。即効性のある保湿成分としてはヒアルロン酸が有名ですが、グリセリンはより長時間その保湿効果が持続することがわかっています。

このほかにも、グリセリンには肌をやわらかくする効果や、水と接すると熱を生じる温感作用などが認められており、マッサージクリームやクレンジング剤などにも使われることがあります。

一般的には、95%以上の濃グリセリンを84〜87%程度に希釈したグリセリンが用いられますが、高濃度になるほど吸湿性や水分保持力、浸透力はアップします。なかでも不純物の少ない医療グレードの99%純グリセリンは、乾燥肌や肌荒れによるダメージ肌にもすぐれた保湿効果を発揮。必要な水分を補給し、なめらかでうるおいに満ちた肌へと導きます。

 

グリセリンの安全性は?

 

グリセリンは食品添加物として口に入れることや、浣腸剤や潤滑剤として体内に入れることもできる物質。その使用歴は50年以上にものぼり、赤ちゃんの肌の保湿に使われることもあるほど。しかし、グリセリンの濃度やその他の配合成分によっては、肌にトラブルが生じる可能性があるので、自作する場合などは注意が必要です。

 

グリセリンの種類

 

グリセリンはその原料によって「植物性グリセリン」と「合成グリセリン」に大別されます。

おもに化粧品に用いられるのが、ヤシ油やパーム油などの植物油を分解・精製した植物性グリセリン。天然由来で肌にやさしい印象がある反面、劣化の原因となる不純物が混ざりやすく、また純度を確保しにくいという弱点も。これをカバーするのが「合成グリセリン」です。石油由来と聞くと肌によくない印象を持たれがちですが、植物性に比べて高純度で劣化の心配もないため、医薬品の分野で広く使われています。

 

ライター:藤田智美